左ききのエレン

左ききのエレン

絵の天才少女と、天才になれなかった普通の絵が好きな少年、彼女を好きだから憎む友人、天才に引き寄せられる才能の持ち主たち。そんな人間たちの群像劇。
類稀な絵の才能を持つ少女、彼女に憧れて少年は絵の世界に飛び込んでくるが、結局凡才な彼は絵を描くといってもインターネットの商品広告の絵、クリエイティブを作る仕事をすることになる。しかし、彼らは長く長くお互いを意識しあいながら生きていく。

天才画家とそれを取り巻く世界と、対比的に絵が好きだった少年が広告代理店系の会社で絵に携わる仕事をする世界、この二つの世界を描き、ときに近づき交わりながら描かれるこの作品はまさに至高。大人向けの2つの漫画が交錯しているこの作品は、2つの漫画を読んでいる気持ちになるし、時々話が交差するときはめちゃくちゃわくわくするし、天才と天才になれなかった人の気持ち、挫折、お互いの苦悩も描かれるが、天才の描写は文学的でとても独特な表現だし、方や天才になれない苦悩は万人に共感できるフィーリングだし・・・天才と天才じゃない人の2つの世界観をのぞき見している感じがまさにこの作品独自のところ。それぞれだけの作品はあったが、そこを交差させるのは面白さの発想としてはありふれているが、生まれる作品はめちゃくちゃいい独特の味を持っていた。一度読んでみてほしい傑作コミック。特に10~20代の多感な時期、主人公たちとクロスする時代に見るのがまたいいと思う。

Advertisement