OUT4巻 その1

OUT4巻 その1

OUT4巻 その1 原作:井口達也 漫画:みずたまこと

復讐しても失ったものは戻らない

復讐で幸せにならない

相手を許すこと

達也にもそれはわかっていた

Advertisement

爆羅漢に襲撃を受けた要は、苦戦を強いられていた。

大勢に囲まれ、必死で抵抗を続ける。

圧倒的劣勢。しかし副総長である要はそう簡単に折れない。

それをわかっていたゲバラ三兄弟の末弟、下原賢三(しもばらけんぞう)。

彼は、命を奪うことに躊躇がない。

彼は自分の乗っていたバンで、ためらうことなく要をハネた。

「だが、そんなキレイごとはクソくらえだ」

達也は、要が車にハネられたその現場で一人つぶやいた。

要は、即死にはいたらなかったが、昏睡状態となり、意識が戻っていない。

病院には斬人の幹部が集まっていた。

要の容態への心配、爆羅漢への怒り、また要という副総長がやられたことで、

爆羅漢以外のチームからも襲撃されるリスクも背負ってしまった状況。

全員が苦難の表情をしていた。

達也は総長の敦史と外にいた。

敦史はニコニコと、要の母親に会いにいったが無視されたことを達也に話していた。

しかし、その表情や雰囲気は明るく、愛嬌のある普段のものだったが、

その奥底に、もし要が命を落とした場合、ゲバラ兄弟の命でケリをつけることを決めているようだった。

達也は落ち込んでいた。

斬人の幹部に、達也との喧嘩がなければ、こんなことにならなかったと言われたからだ。

達也も覚悟を決めていた。

下原賢三の命に手をかけることを。

唯一だけ心にひっかかるものがあった。

Advertisement

自分でも自覚している、要にも言われた、どうしようもない自分を助けてくれている叔母夫婦のことだ。

達也が決めたことを実行すれば、叔母夫婦に迷惑がかかる。

悩みに悩んでいる達也へ、叔父が声をかけた。

「何かを決断するという事は、その責任の全てを自らが背負い込むということだ。」
「その腹をくくった上で、誰かの息子でも恋人でも友達でもなく、自分の心に問いかければいい。」
「一人の自由な男として・・・」

達也はその言葉で、心を決めた。
「ありがとう・・・おっちゃん・・・。」

夜が明け達也は要がハネられた場所へまた来ていた。

少年院、叔母夫婦、相手を許すこと。

そして要の復讐。

どれも心から思う、達也の気持ち。

今まで達也は考えることをせず、気が向けば暴力を振るっていた。

要は違った。

いつも周りの気持ちを考えていた。

それは、好きな人間が傷つくのを許せないからだと、達也は考えた。

「友達ってのは、何かが俺なんだ・・・」
「何処かが俺なんだ・・・」
「だからやられりゃブチギレそうになる・・・」
「友達がやられた・・・それは俺がやられたってことだ!」
「これは、俺の喧嘩だ。キレイ事はクソくらえだ!!!」

覚悟を決めた達也のもとへ、敦史がやってきた。

達也は、ケリを爆羅漢につけに行くことを告げるが、それを認めない敦史。

要がやられた理由は、喧嘩をした達也にもあったと告げる敦史。

そのケジメをとらなきゃいけないと、敦史は告げる。

そのケジメとは・・・

斬人代表として、達也が爆羅漢とのタイマン勝負をすることだと、提案をする敦史。

ニヤリとする達也。

「上等だ!!」

ついに最後の決戦が始まる・・・